茅葺屋根、茅が使われる理由


住まいと植物

茅葺屋根(かやぶきやね)

茅葺屋根

茅葺屋根は古来から日本、および世界中で利用されてきた茅(かや)を用いて作られる屋根の事です。
茅とは屋根材や飼肥料に使われる植物の総称であり、茅という植物があるわけではありません。茅として利用される植物は主にススキチガヤスゲなどで、他にススキと同種のオギや、とても大型のものでヨシなども使われます。


どうして、茅が屋根に使われるのか?

茅葺屋根原材料

なぜ、これらの植物が茅として利用されるかですが、イネや麦などの藁(わら)では、水分を吸ってしまうため雨に弱く、とても屋根などには向きません。
しかしススキやチガヤは茎に多くの油分を含む為、耐水性が高く雨に強いので屋根などに非常に向いているのです。

また、初めに述べたように飼肥料としてもかつては使われており、牛などのエサや田畑の肥料、燃料などにも利用されていました。
ヨシを用いて作られて茅葺屋根は特に頑丈で、四十年は持つと云われます。しかし、ヨシは他の茅と比べてとても大型で、茅として利用するには高い技術が必要なため、ススキやチガヤなどが特に利用されます。


茅葺屋根の始まりと今

日本では縄文時代にはすでに茅葺屋根を用いた住居が使われていたといわれ、かなり古い時代から人々の生活に関わってきました。
しかし、茅は非常に火災に弱いため、瓦の普及により都市部などの密集地帯では茅葺屋根は徐々に減少していきました。
ただし、現代でも人口密度の薄い農村などでは茅葺屋根の民家が見られます。

 




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